唾液 & 再石灰化 & 歯石の三題話
   
# ハチミツに歯石予防効果
山田養蜂場と福岡医療短期大学の研究によると、ハチミツに歯石予防効果があることが確認されました。その効果は抗歯石剤として歯磨剤に含まれるエチドロン酸と同等とのことです。なお、ハチミツの色と「抗歯石」作用には相関関係が見られ、「透明→黄色→褐色」と色が濃くなるほど抗歯石作用(HAP形成反応に対する抑制力)が強くなる傾向が見られた。研究によると、ハチミツの色には「フラボノイド」が含まれており、それが原因となっているようです。
 
# その他の歯石形成抑制作用剤
茶葉から抽出されたポリフェノールとゼラチンとの混合物(1 〜 1.25:1)は歯石形成抑制効果を持ち、含嗽剤や塗布剤、チューインガムとしての利用も効果的とのこと。お茶は、むし歯はもちろん、ガン予防にも良いと聞きますが、ポリフェノールに歯石の抑制効果があるとは知りませんでした。
 
# どうして歯石はつくか?
では、どうして歯石って付くんでしょうか?
唾液には「歯に再石灰化しやすいものと再石灰化しにくい」ものとがあり、再石灰化し易い唾液の人は、むし歯になりにくいが歯石もつきやすいのです。この唾液の性質を「唾液の緩衝能」と言います。
 
# これらを考えると、「ハチミツ」にしろ「エチドロン酸」にしろ、「歯石の形成抑制剤」によって、歯石が付きにくくなることが、むし歯の再石灰化を妨げる結果とならないかという疑問も残ります。ちなみに、これは以下の論文によっても述べられています。洗口剤の口腔内リン酸カルシウム沈殿物形成に与える影響は以下の順番ハイザック > コンクール > モンダミン > GUM > レノビーゴ >リステリン > 1/15 希釈イソジン > 1/50 希釈ネオステリングリーン > 絹水
 
# 難しい話しでしたが、歯石なんてついた方が良いんですよ、ただしついたままにするのは良くありませんから定期的に除去する必要があります。

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