口の中の病気
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 アフタ性口内炎
小さな潰瘍ができる病気で、多くの人が経験する病気ですが、何故か最近よく見られるようになったような気がします。そして一度出だすと繰り返し出るやっかいなものです。
原因: 不明
場所: 歯肉、頬粘膜、舌、口蓋など口腔内のあらゆるところにできます。
病態: 通常直径数ミリの潰瘍で強い接触痛があり食事に支障をきたします。通常1〜2週間で自然治癒します。
治療法: 軟膏の塗布(ただしステロイドを使用する場合にはヘルペス性口内炎でないことを確認すること。なぜならステロイド剤はヘルペスを悪化させる可能性があります。)

■ 顎関節症

■ カンジダ性口内炎(鷲口瘡=がこうそう)
 カンジダとはカビ(真菌)のことで原因菌は「Candida albicans」が主です。カンジダ菌は健康な人の口腔内にも常在菌として存在します。しかし他の細菌と共存しているためカンジダ菌だけが急速に増殖することは滅多にありません。しかし以下のような場合には増殖して病気の元になる場合があります。

(1) 抗生物質を長期に使用した場合: 抗生物質は一般の細菌には効果がありますが真菌には効果がありません。したがって何らかの病気「例えば中耳炎等」で長期に抗生物質を使用すると、口腔内の細菌は抑制されますが真菌は抑制されないため他の細菌に取って代わって増殖することがあります。
(2) 無歯顎になったとき: むし歯や歯周病が原因で歯を失うと、むし歯菌や歯周病菌の数は減ります。それにともなって真菌が増えやすくなります。

 この様な理由で真菌が増えるとカンジダ性口内炎がおきる場合があります。その特徴は「口腔内の粘膜に白い膜のようなものが発生し容易に剥がれます」。
 治療は原因の除去ということで「抗生物質を長期服用している場合には服用を中止する」と言われることが多いのですが、抗生物質も必要あって服用しているのですからなかなか難しいでしょう。一般には体調が悪いときに発生しやすいので栄養の補給などの全身対応が必要です。局所的には抗真菌軟膏(フロリード・ゲル)の塗布を行います。

■ 口腔アレルギー症候群

■ 口腔乾燥症(ドライマウス)
 
口腔乾燥症とは安静時の唾液分泌量が10分間に1CC以下になるものをいいます。原因には色々考えられますが主として以下のようなものがあります。
 (射線治療の後遺症
◆々澎戯泙篝鎖整堕蟶泙鯊緝修箸垢詭物の影響
 口呼吸
ぁゝ扮
ァ.好肇譽垢箙糠期障害
Α.轡А璽哀譽鷯標群や糖尿病などの全身疾患
 症状が進むと就寝時に口の中が乾いて目を覚ましたり、食事がしにくくなります。また義歯装着時の疼痛の原因にもなります。
 治療法(対処法)としては、人工唾液(サリベート等)の使用などがありますが、特定の原因(放射線治療の後遺症やシェーグレン症候群)の場合には保険対象となりますが、その他の多くの場合には保険対象外となるため自費で薬剤を購入する必要があります。

■ 口腔癌
 「早期口腔癌を見逃さないために」ラジオNIKKEI 2004年11月2日: 日本歯科大学病院口腔腫瘍診療センター センター長 鈴木 宗一

(1) 各口腔癌の特徴
 好発年齢:50〜70歳代。 性別:やや男性に多い。

 \經
 口腔癌で最も多い。
好発部位: 舌側縁部で舌根部や舌下面にも見られるが舌背や舌尖にはほとんど見られない。
所見: 境界のはっきりしない無痛性の硬い腫瘤や、肥厚した白斑、酸甘塩味に刺激痛を訴える糜爛や潰瘍。
鑑別診断: 良性腫瘍は健康な粘膜で覆われ、舌癌のような浸潤硬結は触知されない。
確定診断: 病理組織検査が必要。

◆仝底癌
 初発部位が口底の癌を言うが、口底は狭いため周囲の組織に波及しやすい。
所見: 舌下小丘部などに硬結を伴った無痛性の腫瘤や糜爛、肥厚した白斑。
鑑別診断: 不適合義歯による外傷性潰瘍やガマ腫など。

 歯肉癌
所見: 
鑑別診断: 辺縁性歯周炎や歯肉炎、エプーリス、嚢胞、良性腫瘍などと鑑別が困難な場合がある。X線検査が重要な決め手で、エナメル上皮腫や嚢胞性疾患でのX線像は、辺縁がシャープな骨吸収像が見られる。

ぁ々展蓋癌
 扁平上皮癌と腺癌に分類される。
 歯性上顎洞炎と類似した症状を訴えることがあり、パノラマX線で上顎洞に片側性の不透過像が見られたものは上顎洞炎を疑うのではなく、まずは上顎洞癌を疑う必要がある。

(2) 早期発見のポイント
 初診時すぐに処置に入るのではなく、2、3日の経過観察を行い慎重に処置に入ることが必要です。

  ̄蠑匹箸隆嬖漫А ̄蠑廟の疾患は、数日の消炎処置(抗菌剤の投与)である程度の症状改善が見られる。
◆…掾腓粐爛: 義歯の不適合などの改善などにより1週間後には症状の改善が見られる。
 アフタ性口内炎: 初期より接触痛が強い。
ぁ“柑後の異常所見: 積極的なX線検査により再診断を行い、2週間経過後も症状の改善が見られない場合には専門医に依頼する。

■ 口腔顔面痛 歯痛及び顎関節症と誤診しやすい疾患

(1) 歯痛と誤診しやすい疾患
 〃家性疼痛: 上顎大臼歯部の痛み → 神経内科へ
発作発現の時間的規則性。1〜2年に一度、決まった時期に発症する。症状は約1カ月持続し、毎日数回、ほぼ同じ時間に約1時間持続する激痛がおきる。発作中は、以下のような自律神経症状が生じる。
流涙、鼻漏、鼻閉、結膜充血、縮瞳、眼瞼下垂
◆〇虻疑牲伉法А,帖舛鵑箸靴澆襦、 口腔外科へ
痛みの部位、小鼻の横、下顎。1〜2万人に1人の有病率。歯痛と誤診しやすいが、瞬間的な痛みであることが特徴。トリガーゾーンの存在(軽い接触で症状がでる)。
 急性上顎洞炎: 風邪をひいて歯が痛む → 口腔外科、耳鼻科へ
 これはうちでも良くありますねぇ。必要に応じて耳鼻科受診を指導しています。
上顎小臼歯から大臼歯部にかけての自発痛と打診痛。鼻症状、鼻の脇の圧痛。
ぁ“鹹蠏浸痛: 抜随しても抜歯をしても痛みが消えない → 口腔顔面痛外来へ
抹消性の神経因性疼痛とする説、中枢の頭痛処理過程の異常とする説があるが後者が優勢。

(2) 顎関節症と誤診しやすい疾患
 ‖ζ動脈炎: 側頭筋と咬筋の痛みで、開口障害を伴う → リウマチ内科、神経内科へ
70歳代を平均とする、高齢者の疾患。治療が遅れると失明するので注意。自己免疫疾患。鑑別診断、発熱などの全身症状あり、接触痛がある。
◆\絨神経痛: 大開口時に顎関節部に瞬間的な激痛が生じる → 神経内科、脳神経外科へ
舌咽神経支配領域の舌後方1/3、咽頭部、下顎角深部などに神経痛用症状。
 薬物乱用頭痛: 数ヵ月以上続く頭痛と顔面痛 → 頭痛専門医へ
頭痛持ち患者が鎮痛剤を服用しすぎると、疼痛抑制系の神経がかく乱されて頭痛が悪化する。慢性連日性の頭痛患者をみたら鎮痛剤の乱用を疑う。

■ 口腔心身症
(1) 舌痛症
(2) 咬合異常感
(3) 口腔異常感症
(4) 口臭症(自臭症)

■ 骨隆起(外骨症)  → 画像
 
主として下の顎の内側(舌側)の小臼歯部にできる骨の隆起でで、中年以降の男性に多いとされていますが、女性にも多く見られます。形態は様々で豆上にポコッとできる人もいれば、広範囲になだらかな隆起状に見られる人もいます。悪性では無いため通常は切除する必要はありませんが、義歯作成時には邪魔になって義歯使用時の疼痛の原因になる場合もありますので、程度によっては切除する必要があります。

■ 子供の歯ぎしり
 子供の歯ぎしりは大人に比べて少ないと言われていますが、臨床の場で前歯がすり減って平になった子供を見かけます。確かにこの様なケースは希なんでしょう。
一般には、子供の歯ぎしりは一次的なものと言われています。しかし過度に歯がすり減る場合には対処しなければなりません。大人の場合には「ナイトガード」というプラスチックのプレートを睡眠時に装着する方法があります。しかし小さな子供の場合には型を採ることが困難なのと、睡眠時つまり1日の1/3もの時間装着していることによって、歯列や顎の発育に影響を与えないかという懸念もあるので、治療の必要性も含めて総合的に検討する必要があります。まぁ、特別なケースを除いてほっておいていいでしょう。 

■ 歯牙破折 → 画像
 打撲により前歯が破折するケースはよくある。しかし、希に奥歯がまっぷたつに割れてくることがある。数年前に同じ患者さんで2度見たことがある。それも神経をとって脆弱な歯ならともかく神経の生きている健全な歯だから驚きである。原因は歯ぎしりである。皆さんも御注意下さい。
 このようにまっぷたつに割れるケースは少ないが歯にヒビがはいっているケースはよく見られる。目で見てわからないときはCCDカメラでモニターに拡大してみると良くわかります。

■ 歯周炎 → 画像
 歯周炎とは歯の周りの炎症を良い、神経をとった後に良くおきる「根尖性歯周炎」といわゆる歯槽膿漏などの「辺縁性歯周炎」に区別されます。
 両者とも症状が強いときには「抗生剤」や「消炎鎮痛剤」の投与といった対処療法には変わりはありません。しかし、具体的な治療法は全く異なります。
 根尖性歯周炎はいわゆる根の治療を行いますが、部位や病状によっては歯根端切除などの外科処置が行われる場合があります。一方辺縁性歯周炎の場合は、一般に歯石を取ると言われるような根の表面の清掃とブラッシングを中心に行われますが、これも病状によっては歯周外科処置が行われる場合があります。

■ 腫瘍
 腫瘍には悪性のものや良性のものがあります。先日も、ある患者さんのX線写真を見たら「親知らずの炎症にしてはおかしい」。「嚢胞」かなと思って口腔外科に紹介したら「腫瘍の可能性があるのでCTを撮る」という返事が来た。もちろん、年中こういった例にお目にかかるわけではないが、かといってそんなに希なことでも無いのである。

■ 心因性歯痛
 うつ、心気性、身体表現性障害などの精神疾患の随伴症状として歯痛が生じることがあります。
 ‖真歯にしばしば部位と性状を変えて現れる
◆=崢砲瞭団Г通常とかけ離れている
 歯科治療に反応しなかったり、予期できない反応を示す
ぁ=崢砲郎症造任呂覆い、慢性的な疼痛行動があり、結果的に疾病利得を得ている
 実際、私が診療していても、「歯が痛い」といって来院される患者さんの何割かは、歯以外のたとえば耳鼻科疾患が原因です。そして、その中には心因性歯痛もあり、これは目に見えないだけにやっかいです。時には、必要でないのに歯の神経をとったり、歯を抜いたり。それでも治らないケースが多々ありますから、単に歯が痛いと受診される患者さんであっても、注意深く診断する必要があるんですよ。

■ 舌圧痕&頬粘膜ヒダ → 画像
舌圧痕は舌筋が過度に緊張し、歯牙に強く押しつけられてできる。また頬筋が過度に緊張する事によって頬粘膜が歯牙に強く押しつけられてできるのが頬粘膜ヒダである。
両者に共通するのは筋肉の過度の緊張で、ブラキシズム(歯ぎしり)と関連していると言われている。

■ 舌苔(ぜったい)
 舌苔とは歯の表面についた白っぽい苔状のもので、上皮細胞(いわゆる頭のフケの様なもの)からなり口腔内の細菌に分解され口臭の原因となる。口臭の原因の70%は舌苔由来のものと言われている。特に唾液の分岐が抑制され口腔乾燥がおこると、舌苔が洗い流されなくなりやすく、結果として口臭の亢進がみられる。
 また、舌苔は全身状態をあらわす鏡のようなもので、胃腸が悪いときには白っぽくなり、発熱時には褐色になったりする。
 多すぎる舌苔は舌ブラシなどで取り除いてもいいですが、あまりとりすぎないように注意が必要です。もともと舌苔の全く無い人はいませんし、舌苔中の細菌は口腔内の細菌バランスを保持するために重要と言われているからです。

■ 舌痛症
 時々「舌が痛い、ピリピリする、歯のとんがりが気になるので歯を削って欲しい」という患者さんをみることがあります。もう15年近く前のこと、そのような典型的な症状を訴えた患者さんが来院したことがあります。当時は未熟だったので患者さんの求めに応じて歯を丸く削ったりしたこともありました。しかしそれでも「歯がとんがって気になる」という訴えは消えませんでした。不思議なことに「気になるのは右側だけで、左側の歯の方が遙かにとんがっているのにそちらは気にならない」のだそうです。
 当時は舌痛症という病名さえ知りませんでした。その後、その病名を知って初めて「その患者さんの病名が舌痛症」であることに気づいた次第です。
 しかし、その後同様な訴えをする患者さんに何人か出会いましたが、無用な治療をせずに済みました。行ったのはカウンセリングだけでした。しかし、歯科治療にはカウンセリングという項目も料金もありません。38点の診察料だけで数十分のカウンセリング。正直言ってこれは経済的にはかなり辛いです。でも、滅多にいないケースですから、まぁ良いかと思うしかないですね。
 話は戻りますが、舌通症は中年の女性に多いと言われており、ストレスを強く受けた時に症状がでやすいと言われていますが、私が経験した例も同様でした。
 明確な原因も不明とされており、どうも精神的に暇なときに症状がでるようです。このような言葉は気休めにしかならないかもしれませんが、この様な症状が出た場合には、まずは「気にしないこと」です。気にするとますます痛みが増すだけです。精神的な不安が強い場合には精神安定剤がだされる場合もあります。

# 舌痛症の主な症状
(1) 舌の尖端や側縁に「ヒリヒリ」した痛みがあり、長期間続く。
(2) 舌には特に器質的な異常は認められず、また神経障害なども無い。
(3) 食事中や何かに没頭しているときは症状はでず、暇なときに出やすい。

# どういうケースでなりやすいか?
(1) 中高年の女性がなりやすい。
(2) 真面目で几帳面な人がなりやすい。
(3) 歯科治療を契機として発症する場合がある。
(4) 午前中よりも午後に発症しやすい。
(5) 症状の出る部位は移動し、時には舌以外の口唇や口蓋でおきることがある。
(6) 不眠症や頭痛などの自律神経症状を伴う場合がある。

# どうなおすか?
(1) 舌通症の治療は抗うつ剤の服用などの薬物療法が中心となります。一般には服用後1週間程度で症状は緩和していきます。服用期間は一般には数ヶ月といわれています。

■ 舌の痛みを訴える疾患
舌炎、口内炎、アフタ、ウィルス感染症、カンジダ症。また、外傷、腫瘍、喫煙、外的刺激、放射線なども原因となる。全身的には、鉄欠乏性貧血、悪性貧血。ビタミンBの欠乏でも生じる。亜鉛欠乏症、内分泌障害、胃腸障害、シェーグレン症候群、薬剤による口腔乾燥症、糖尿病なども原因となる。三叉神経痛や舌咽神経痛や舌痛症(↑参考)。
舌痛の検査
 〇訖如А“赤、糜爛、潰瘍、舌苔、萎縮、肥大、圧痕
◆\綢櫃虜拔欷〆此米辰棒絅ンジダ症)
 唾液分泌能検査
ぁ〃豈娶〆
ァ〔3亳〆此⊃翰テスト、金属アレルギー

■ 象牙質知覚過敏症
 ここ数年、テレビで「しみ止めの薬を配合した歯磨き粉」のコマーシャルが目に付きました。テレビコマーシャルは結構お金がかかります。それにも係わらずコマーシャルを流すということは商品が売れるからです。売れるということはそれだけ「歯がしみる人が多い」ということです。それも歯科医院に行って治療するほどでもないケースが多かったり、歯科医院で使用を勧められたりするケースが多いようです。
 うちにも「歯がしみる」という訴えの患者さんが年中来られます。通常数度のしみ止めの処置でおおかたおさまりますが、中には頑固に症状が取れないケースがあります。これを「象牙質知覚過敏症」といいます。
 原因は「不適切な歯ブラシ」「歯ぎしり等の噛み合わせの負担」「歯周病」など多岐に渡ります。中には何度も繰り返すケースがあり、それは「仕事の忙しい時期」「精神的ストレスを感じたとき」など、その人の人生そのものまで関係してくるケースがあります。
そういう意味ではなかなか難しい病気です。
 しかし、単なる象牙質知覚過敏症なのか、それともむし歯やその他の病気なのか?鑑別しないのは危険です。前に象牙質知覚過敏症だったからと言って今回もそうとは限りません。きちんと歯科医の診断を仰ぎましょう。一応学術的に説明すると以下のようになります。
  象牙質知覚過敏症とは、歯牙の物理的欠損などが無いのに「歯がしみる」という症状を訴えるものであり、象牙質が露出した人に多く発生するとはいうものの、象牙質が露出した人全てに生じないということから、露出した象牙質の表面に開いた象牙細管がなんらかの原因で閉鎖しないことによっておきるのではないかといわれている。
 象牙質知覚過敏症のリスクファクターとしては以下のようなものが挙げられる。
(1) 咬合要因: 過高な咬合、歯ぎしり
(2) 口腔乾燥症: 唾液による再石灰化を妨げる。その背後には口腔乾燥症を来す薬剤の服用が考えられる。
(3) 酸味の強い食品の摂取: ワイン、果物、炭酸飲料
(4) 歯ブラシの仕方: 研磨剤入りの歯磨き粉

■ 打撲 → 画像
 ある日の午後、学校で顔面(上唇付近)を教室の机の角にぶつけたという小学生が来院。見てみると、上唇から出血してやや腫れている。口の中を見ると上唇小帯が切れている。軟組織は自然に治るからどうってことはない、問題は歯だ。上の前歯が少し痛いそうだが大したことはなさそうだ。X線でも歯根の破折などもなさそうだ。
取り合えず抗生剤をだして経過観察だ。こういった場合診断も単純だし、治療もほとんど何もすることはないが、説明は大変だ。
 外傷による力を受けた歯は、その時は何ともなくとも期間が経つと、神経が死んでしまったり、歯根が吸収して短くなったりすることがあるのである。こういった説明をするのが大変である。特に小学生の場合「学校安全法」の対象となるので、保護者に説明の後、再度学校の養護教諭に説明しなければならないこともある。

■ 歯ぎしり

■ ヘルペス性口内炎
 口の中にできるヘルペスは「単純ヘルペスウイルス」でおきます。ウィルスというのは単体では生存できず、細胞の中に寄生して生きていきます。
初めて単純ヘルペスウィルスに感染した場合、小児においては明確な症状がでるケースは少ないのですが神経細胞のなかに隠れ住み、体の抵抗力が低下した時に発症します。そういう意味ではヘルペスの発症はその人の抵抗力を表す一つのデータと言えるかもしれません。
 治療法としては「軟膏の塗布(ただしステロイド薬は禁忌)」「ビタミン剤の服用」「レーザーで焼く」などがあります。ヘルペスが口の中にできると食事に痛みが生じますが、レーザーで焼くと瞬時に食事の疼痛が改善されますので即効性が認められます。

■ むし歯 → 画像
 むし歯の原因菌であるミュータンス菌は生後19ヶ月から31ヶ月の間に感染すると言われています。つまり赤ちゃんが生まれてきたときにはまだ口の中にはミュータンス菌はいないんですね。そして口腔内の状況によってミュータンス菌は糖を分解して酸を産生してその酸が歯を溶かすことによってむし歯が発生します。
 ところでむし歯の治療ですが、治療の考え方は年と共に変わります。私が歯科大学生であった頃は、「予防拡大」という考え方が主流でした。これは、「むし歯になりやすい場所として『三大不潔域』というものがあり、そこは歯ブラシの効果が及びにくいのでむし歯になりやすい。従ってむし歯を削って詰める場合には、歯質と材料の境をこの不潔域の外に設定しないとまたその境界からむし歯になってしまう」という考え方でした。ちなみに三大不潔域とは「歯と歯茎の境目」「噛み合わせの面」「歯と歯の間」です。しかし現在は「minimum intervention」が推奨されています。つまりむし歯のところを最小限に削って詰めるという考え方です。しかしこの場合「詰めた材料と歯の境目」が三大不潔域内に設定されるため詰めた周囲から又むし歯になることが考えられます。従ってむし歯の治療と同時に再発防止の手を打たなければいけないのです。

■ 口の中の様々な病気

★ 歯の基本知識(1)
歯の構造は、表層の硬い「エナメル質」、中の有機質に富んだ「象牙質」、中心の「歯髄(神経)」にわかれます。
歯の周囲は、歯と歯槽骨を繋ぐ「歯根膜」、歯を支える「歯槽骨」、そして「歯肉」等から成り立っています。

 

★ 歯の基本知識(2)
永久歯は、智歯(親不知)を含めて上下左右8歯、合計32本より成り立っています。

左図のようにそれぞれに名前が付いています。

★ 歯の基本知識(3)
乳歯は、上下左右5歯、合計20本より成り立っています。6才臼歯(第一第臼歯)は、第二乳臼歯の後ろに萌出してきます。

左図のようにそれぞれに名前が付いています。
   
★ 歯の汚れと歯肉炎
このように、染め出し剤を使うと、歯についている汚れが一発でわかります。これらの色が消えるためにはどのように歯磨きをしたらいいか、自分で工夫してみましょう。
  ★ むし歯の始まり
ハブラシが旨くかかっていなかったのでしょう。
歯と歯ぐきの境目の歯面が黄色っぽく白濁しています。虫歯の始まりです。それに加えて歯ぐきも赤く腫れかかっています。歯肉炎です。
  ★ 口腔内の細菌
口腔内の細菌として最近脚光をあびているカンジダ菌。
歯周ポケット内の歯垢を5%KOHで処理し、400倍の位相差顕微鏡下でデジカメで撮影。

使用機材:オリンパスCH40、オリンパスCAMEDIA C-3030ZOOM
  ★ 歯周炎
レントゲンで見ると歯の根の先まで周りの骨が吸収しているのがわかります。このくらいになると歯はぐらぐらして抜かなければなりません。
  ★ 詰めたプラスチックの変色
歯と歯の間に黄色っぽい所が見えます。
以前に詰めた材料が変色した例です。
プラスチックは材料の性質上変色することが有ります。
  ★ 歯肉の退縮
色々な理由で歯肉が退縮する場合があります。
左図は右上の中切歯のかぶせた縁の歯肉が退縮した例です。
この歯は神経をとった歯なので露出した根面が褐色です。

ここから虫歯になるケースが多いのでブラッシングには気をつけましょう。
  ★ シーラント
奥歯のかみ合わせの面は、複雑な溝状になっておりなかなかハブラシの旨く届きにくい場所です。
これに対して歯の生えたての数年間、溝をプラスチックの材料で埋めてハブラシのし易い状態にする事を「シーラント」と言います。

この例は右上の奥の乳歯に処置した例です。
この例では見やすいようにピンクのシーラントをしていますが、その他にも目立たない白色なども有ります。
  ★ 永久歯の萌出(1)
下の前から永久歯が出始めました。
乳歯に比べて色がやや黄色っぽいですがこれが当たり前です。
  ★ 永久歯の萌出(2)
僅かに残った乳歯の下から永久歯が出てきているレントゲンです。
  ★ 歯牙破折
外傷(転んだ)によって顔面をぶつけ、右側中切歯が破折した例です。この症例は破折が大きかったため、中の神経が見えかけています。
ピンク色の所がそうです。
  ★ 舌圧痕
チーズをかじると、チーズに歯型がつきますね。
それと同様に、舌の側縁に沿って歯型がついています。
これを「舌圧痕」と言います。
一般には「歯ぎしり」や「喰い縛り」のある人に多いと言われています。
この患者様は圧痕のみにとどまらず、一部には潰瘍も認められます。
圧痕だけならいざ知らず、潰瘍を併発した場合には治療の必要性が有ります。一般の歯科でもかまいませんが口腔外科ならばなお良いでしょう。
  ★ 開咬
一般的に前の上の歯と下の歯は、咬んだときにくっついているもんですが、左図のように咬み合っていないものを「開咬」と言います。
この様な場合、顔立ちに影響を与える他、口で息をしやすくなるため、口の中が乾燥して歯肉の病気になりやすく、また「のど」や「はな」の病気にもかかりやすくなります。
  ★ エナメル質形成不全
左側中切歯の歯質が正常に形成されなかった例です。
これには全身的原因(高熱・アレルギー・薬など)と局所的原因(抜ける前の乳歯の虫歯など)が考えられますが、この例は片側だけに顕れているので局所的原因が濃厚です。
  ★ 中心結節
   
  ★ 根管充填
根の治療をしたあとはこのように薬を詰めて閉鎖します。
   
   

 

山形市