根の治療(神経をとる)
   

歯科治療では、よく「化膿している歯の根の治療をする」という言い方がありますが、根の治療とはこういうことなのです。【参考

# 山形県は過疎県です。従って、都会から産業廃棄物が沢山入り込んできます。つまり、都会のゴミが東北道福島飯坂ICから、R13 栗子峠を越えて県内に入り、米沢牛で有名な米沢市近隣の廃棄物最終処分場に持ち込まれるんです(あくまでも仮定のお話ですよ)。しかし、この処分場の建設(むし歯の治療)を適切に行わないと、そのゴミは周囲の河川に流れ込んで、山形県の母なる川「最上川」を汚染します。そして汚染した水は下流に流れ、下流地域の汚染といった住民にとっての痛みとなるのです。そこで、その地区又は汚染地区の住民が川をきれいに清掃すればその汚染は局所的なもので済むんですが、それを怠ると汚染物質は川を下り最終的には河口の「酒田市」で日本海にそそぎます。

 そうするとどうなるでしょう、酒田市の沖の日本海の水は汚染されたものになりますよね。それでも、日本海の自浄作用が強いうちは良いんですが、自浄作用が衰えると酒田市沖の環境汚染はすさまじいものになります。

 この時酒田市の沖の日本海をいくら掃除してもきれいにはなりません。

 まず汚染源の最終処分場を改築し汚染物質が流れ出ないようにし、そして上流の米沢市から河口の酒田市までの川をきれいにする。そうすると、日本海に流れ出る汚染物質は無くなり、日本海の汚れは自浄作用により自然にきれいになるのです。しかし、最上川の河口は単純に1本で海に注いでいますが、河口がデルタ状になって複雑なものは掃除が大変です。場合によっては神経の管はデルタ状になっていて治療は難しいのです。

 この場合の「最上川の清掃」が「根の治療」で、「最上川河口の汚染された海域」が「根の先の化膿している部分」なのです。

 ちなみに、山形県は「縦 150Km・横 100Km」くらいあります。これを1本の歯「縦 15mm・横 10mm」にたとえると、治療する(される)人間の大きさ(150cm)は15000Kmで、指の太さだけで200Km くらいになります。地球の直径にも値する大きさの人間が、その地球の中でちっぽけな日本列島(口)のなかのちっぽけな山形県(歯)の最上川(神経)を掃除するのはいかに大変か、それほど根の治療とは難しいものなのです。

神経が生きている歯は、特別のことでも無い限り根の先が化膿するということはありません。従って神経を取らなければならないような大きなむし歯にならないように注意することが重要なのです。

 

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