非日常が健康に及ぼす影響
   

当院に通院している患者さんで慢性的な疾患を抱えている方が時折症状を訴える事があります。そして、高齢者を中心になぜかそれらはお盆とか正月とかに多く見られるのです。私はそれらの現象を「お盆正月症候群」と呼んでいます。症候群とは、「一つの原因から生じる一連の身体的、精神的症状」を指します。そして、その原因のキーワードは「日常と非日常」です。

お盆や正月は、都会に出ていた息子や孫が帰ってきたり、親戚や知人が沢山来訪したり、楽しい日々ではありますが、普段の生活(日常)とは異なる非日常の日々が続きます。こういった環境だとストレスを感じやすい人は知らず知らずの間にストレスによる免疫の低下で、普段は押さえ込まれている症状が噴出する場合があるのです。

この他にも、3月の決算期になると精神的肉体的多忙によるストレスで症状が出る OLさん。6月の農繁期になると症状が出るサクランボ農家の方。このように、ストレスの原因は様々ですが、共通して言えることは、本人が自覚していようがいまいが、ストレスと言うものは健康に大きく影響するものなのだということです。

そして、今年は 3 月の東日本大震災以降、被災地の人たちはもちろんの事ですが、私たち山形県民もそれなりの影響を被っているようです。岩手県の一関市。ここは沿岸とは違って津波の被害はなかったものの結構な揺れを感じてそれなりの被害はあったようです。

先日、その一関市の先生に聞いた話しですが、震災以降普段は少ない「顎関節症」「知覚過敏」「歯根の破折」などの症状を訴える患者さんが目に見えて増加したそうです。

こういった疾患はストレスと密接に関係しますから、やはり非日常の健康に対する影響はバカに出来ないとあらためて感じます。

そして、今回の地震においては、地震本体の影響に加えて、福島第一原発事故による放射線被害の影響も健康に影をさしています。山形県の発表では山形市の放射線量は約0.04 μ Sv/h、米沢市の放射線量は約 0.08 μ Sv/h と心配するレベルではありません。しかし、ホットスポットや内部被曝には注意を払う必要はあると思います。そもそも、県の計測では山形よりも米沢の方が放射線量が高いと感じますが、一般の生活レベルでの放射線量はそうでも無いようです。

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