歯の本数が与える影響
   
年をとるにつれて、多くの人は歯を失っていきます。原因は「虫歯」と「歯周病」がほとんどと言われています。
 
歯の中で一番寿命の長い歯は犬歯で約65才と言われていますから、人間の寿命に比べると 15 〜 20 年くらい短いのが実情です。従って、老人の何割かの人は老後を入れ歯で過ごさなければなりません。
 
しかし、歯が無くなると言うことは、単に入れ歯を入れなければならず、咬むのに支障が出るということに留まらないのです。山梨県歯科医師会の調査に以下のようなものがあります。
(1) アルツハイマー病など脳神経の疾患の有病者ほど、残された歯の数が少ない。
(2) 歯の数が少ない人ほど転倒しやすく寝たきりになりやすい。
(3) 歯の数が多い人ほど内科などの他の科の医療費も少なくて済む。
 
(1)は、「歯の数が少ない人は、良く咬めないので、血流量が減り、脳細胞の活性化が阻害され」るのではないかとのこと。
 
(2)は、「噛みしめきかないので、筋肉が衰えやすく、踏ん張りが効かず体のバランスをくずして転倒しやすい」のではないかととのこと。
 
(3)は、因果関係は不明ですが、食は健康の源ですからそういった関係があるのでしょう。
 
ちなみに、調査によると 1 ヶ月あたりの平均医療費は、歯の数が 20 本以上の人は17,583 円、5 〜 9 本の人は 21,799 円、0 〜 4 本の人は 24,976 円だったそうです。「8020運動」がありますが、これは80才で20本の歯があればという意味です。
生まれつき歯が丈夫な人もおりますが、これには若いときの食生活や口腔内のケアによってだいぶ結果が異なるようです。失ってから初めて判る歯の大事さです。若いときからのケアが大事なのです。

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